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盛岡地方裁判所 昭和28年(ワ)12号 判決

原告 三浦鉄太郎 外九名

被告 国

訴訟代理人 内田俊夫 外二名

主文

被告は原告三浦円次郎に対し金三百円及びこれに対する昭和二十八年一月二十二日以降完済にいたるまで年五分の割合による金員を、同三浦申松に対し金三千七百二十五円及びこれに対する同じく昭和二十八年一月二十二日以降完済にいたるまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払うべし。

右原告両名のその余の請求及びその余の原告らの請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用中、原告三浦円次郎と被告との間に生じた部分はこれを二十分し、その十九を同原告の、その余の部分を被告の負担とし、同三浦申松と被告との間に生じた部分はこれを十分し、その九を同原告の、その余の部分を被告の負担とし、その余の原告らと被告との間に生じた部分はそれぞれ同原告らの負担とする。

事実

原告ら訴訟代理人は、「被告は原告らに対しそれぞれ別表合計欄記載の金額及びこれに対する昭和二十八年一月二十二日以降完済にいたるまで年五分の割合による金員を支払うべし、訴訟費用は被告の負担とする」との判決を求め、その請求の原因として、杜陵財務協議会は盛岡税務署とその管内の各町村をもつて組織する同税務署の外廓団体であり、管内の各町村に対し納税事務の指導及び連絡を目的とするものであるが、同財務協議会主催の下に昭和二十五年一月六、七の両日繋温泉御所閣において管内各町村長及び財務主任を集め、盛岡税務署からは署長、総務課長、直税課長、間税課長らが列席して昭和二十四年度申告所得税の納付及び納税者番号制度並びに滞納処分等を議題として協議会を開催した。その席上同税務署長は、各町村農業協同組合(以下単に農協と略称する)に所得税を納付すれば、税務署又は郵便局若しくは日本銀行代理店等法令で定められた権限ある収納機関にこれを納付したと同様の効果を認められることになつたから、各町村農協に加入している農協組合員が所得税を納付する場合は各自の所属農協にこれを納付すること、農協に対し預金を有する組合員はその所属農協に対し預金払戻請求書を提出すると同時に、右預金から所得税相当額の金員を払い戻してこれを所得税に振り替えるよう申し出ること、これに対し農協は右預金から所得税相当額の金員を払い戻して組合員にこれを交付し、しかる後その組合員において、これを所得税としてあらためて納付するという現金の授受を省略して、直接右預金から所得税相当額の金員を所得税に振り替え、これを現金納付の分とともに一括して農協組合長名義をもつて盛岡税務署又は最寄郵便局若しくは日本銀行代理店に払い込み、納税者たる組合員に対しては農協名義の受領書を交付するがこれは法令に定むる権限ある収納機関の発行すする納税領収証書に代るものであつてこれをもつて納税の事実を徴税機関に対抗し得ること、よつて各町村長は早急に農協組合長をして所属組合員の所得税を調査せしめた上、農協及び所属農協組合員に対し前記のような一括納付による納税方法を指導し、これが励行の徹底方を期せられたい趣旨の説明をなした。次いで同年一月十八日盛岡税務署長は再び盛岡市内丸消防会館に管内の各町村長及び農協組合長の参集を求め、昭和二十四年度の確定申告と納税の取りまとめについて及び各町村の納税協力態勢の確立についてと題して協議会を開催したのであつたが、その席上においても、同税務署長はさきになしたと同趣旨の説明を繰り返し、所得税の一括納付を極力要望したのみならず、その後同年一月二十四日附確定申告書取まとめ方についてと題する文書を管内各町村長宛配布し、可及的に一括納付の方法による納税の実施方を強調した。よつて当時の御堂村々長内藤直造及び同村農協組合長村井小一郎はその村民である同農協所属の組合員らに対し盛岡税務署長の前記説明内容を伝達したばかりか、同年一月十一日同税務署の徴税事務を担当していた佐藤事務官を招き、御堂村五日市小学校に御堂農協所属の組合員らを集めて昭和二十四年度所得税の確定申告に関する説明会を開き、その際同事務官から直接納税者らに対し前記一括納付による納税方法について説明してもらつたのであるが、その説明内容はさきに盛岡税務署長のなしたそれと全く同一であつた。

このように再三にわたる同税務署長の強い要望であるからには農協に加入している組合員にとつては前記一括納付の方法による納税以外に選択の余地がないものと信じた原告らは、御堂農協に対しそれぞれ別表記載のとおり、一部現金をもつてした外は同農協に対する預金から振り替えて昭和二十四年度の所得税を納付し同農協名義の領収書の交付を受けたのである。

しかるに御堂農協の係職員が現金をもつて納付した原告三浦円次郎の金三百円及び同三浦申松の金三千七百二十五円を費消横領したためと、原告らの預金から所得税に振替納付した分については、岩手県信用農業協同組合連合会(以下単に県信連と略称する)が御堂農協に対して払い渡すべき昭和二十四年度の供米代金を払い渡さなかつたために、同農協に手持現金がなく、従つて預金の払戻ができなかつたので、結局原告らがそれぞれ同農協に納付した前記の所得税は盛岡税務署その他の収納機関に払い込まれなかつたのである。

しかして盛岡税務署は、原告らがさきに同税務署長が正規の納税領収証書に代るものであると説明した御堂農協発行の前記領収書を現に所持しているにかかわらず、同農協に対する所得税納付をもつて無効であるとし、再三にわたり強硬な納税督促をなし、ついに滞納処分として原告ら所有の農耕馬その他の有体動産を差し押えるに及び原告らはやむなく昭和二十六年一月末頃から同年二月初頃までの間に再びさきに御堂農協に納付した別表合計欄記載の所得税額の外、これに延滞金及び督促手数料を附加して金員を同税務署に納付することを余儀なくせしめられたのである。

このように原告らが御堂農協に納付した別表記載の金員は所得税納付としての効力を生じなかつたわけであるが、同農協は原告三浦円次郎及び同三浦申松に対し同人らがそれぞれ現金をもつて納付した前記の金員を返戻していないのみか、原告らがそれぞれその預金から所得税に振り替えた分についても預金の回復補償手続をとつていないから原告らは結局別表合計欄記載の所得税相当額の損害を被つたことになるのである。けだし現金をもつて納付した分についてはその納付した現金の所有権を喪失し、また同農協が原告らの申出により預金から所得税に対する振替手続をとつた以上、預金簿及び預金通帳には所得税相当額の金員が原告らに払い戻されたように記載され右払戻手続によりその分に関する預金請求権は消滅したことになるのであつて、この場合同農協に手持現金がなかつたとしても消費寄託である預金の性質上、一旦払戻手続がとられた限り、この分につき預金請求権は消滅したものといわなければならないからである。

およそ納税取扱場所は法令上税務署及び郵便局並びに日本銀行代理店に限るのであり、また納税事務を取り扱う者は、予算決算及び会計令、日本銀行法、郵政官署において取扱う国庫金の受入及び払渡に関する規則等により、税金を徴収した場合は法令に定むる納税領収証書を納税者に交付すべく、納税者はこれなくしては納税の事実をもつて徴税機関に対抗し得ないところである。しかるに盛岡税務署長らはその職務執行としての納税督励をなすにあたり、徴税成績の向上を図るに急なあまり、もとより町村農協が収納機関たり得ず、従つて法令に定むる効力ある納税領収証書を発行する何らの権限のないことを充分知悉しながら、前記のように、町村農協組合員たる納税者はその所属する農協に所得税を納付すれば、税務署、郵便局又は日本銀行代理店等権限ある収納機関にこれを納付したと同一の効力があるとか、或は町村農協の発行する受領書は法令に定むる税務取扱者の発行する納税領収証書に代わるものであるとか、法令上明らかに違法な説明をなしたばかりでなく、農協組合員たる納税者にとつては、この方法による納税こそ国家の納税促進政策に協力する最善の途であるから可及的にこれによるべき旨極力強調要望したので、原告らはこのような所得税の一括納付による納税は有効であり、且つそれ以外の納税方法を選択する余地がないものと誤信した結果御堂農協に対し前記のように所得税を納付したのであつて、若しこのような盛岡税務署長らの違法な説明ないし指導を伴う納税督励を受けなかつたとすれば、もとより同農協に所得税を納付するようなことをしないで従来どおり税務署その他の権限ある収納機関に納付したであろうことは疑いなく、従つてまた前記のような損害も被らなかつたであろうから、右損害は一に盛岡税務署長らの違法な納税督励に起因し、且つ右違法行為と損害との間には相当因果関係があるものといわなければならない。そうだとすれば被告国は、その徴税権を行使する盛岡税務署長らの公務員がその職務を行うにあたり、故意又は少くとも過失により違法に原告らに損害を加えたのであるから、国家賠償法の規定に基き原告らに対しこれを賠償する義務があるものといわなければならない。よつて原告らは被告国に対し、それぞれ別表合計欄記載の金額及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日である昭和二十八年一月二十二日以降完済にいたるまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求めるため本訴請求に及ぶと述べた。〈立証省略〉

被告指定代理人は「原告等の請求はいずれもこれを棄却する、訴訟費用は原告らの負担とする」との判決を求め、答弁として、原告ら主張事実中、杜陵財務協議会が原告ら主張の組織及び目的を有する盛岡税務署の外廓団体であること、原告ら主張日時右財務協議会主催の下に繋温泉御所閣において原告等主張の人々が出席してその主張の議題について協議会を開き、次いで同税務署長が盛岡市内丸消防会館に原告ら主張の人々を集めてその主張の議題について再び協議したこと、原告ら主張日時盛岡税務署佐藤事務官が御堂村長内藤直造の招きにより同村五日市小学校において同村民に対し原告ら主張の題名について説明したこと、原告らが御堂農協の組合員であること、盛岡税務署が原告らに対し昭和二十四年度の所得税を督促した結果、原告らはその主張の日時それぞれその主張の所得税及びこれに対する延滞金等を附加してこれを納付したこと、以上の事実は認めるが原告らその余の主張事実は争う。盛岡税務署長及び佐藤事務官その他の同税務署の職員が管内の各町村長又は各農協組合長若しくは御堂農協組合員に対し原告ら主張の内容の説明をしたこともなければ文書等によつてこれを指示したこともない。

同税務署長らのなした説明内容は次のとおりである。すなわち各町村農協は所属組合員の供米代金を県信連を通じて政府から受領し、これを組合員に払い渡す事務を取り扱つている関係上、農協組合員たる納税者がその所得税を納付する場合、農協がその所属組合員から所得税納付の依頼を受け、これを取りまとめ一括して税務署又は郵便局若しくは日本銀行代理店等権限ある収納機関に納付するならば、納税促進上極めて好都合であるばかりでなく納税者自身のためにも便利であるべきこと、よつて農協及びその所属組合員においてこの方法による納税を了承納得したら、納税者たる組合員はその所属農協に対し現金をもつて所得税の納付を依頼するか、若し農協に対し預金を有する場合は、その預金から所得税相当額の金員を払い戻しこれを所得税に振り替えるよう申し出ると同時に預金払戻請求書を提出すること、農協は預金払戻手続をした上(但し現金の授受を省略)、組合員から預金払戻受領書を徴し、その払い戻した金員は現金をもつて納付を依頼された分とともに一括農協組合長名義をもつて税務署その他の権限ある収納機関に納付すること、しかしていずれの場合も農協は納税者たる組合員に対し所得税として納付すべく受領した旨の領収書を交付すること、税務署等の収納機関は、一括農協組合長宛の納税領収証書を発行するのみで、納税者各個人宛の領収証書はこれを発行しないこと、以上の趣旨の説明をし、次いで事務取扱の便宜上、預金から所得税に振り替えた場合に納税者が農協に提出する預金払戻請求書及びその受領書並びに農協が納税者から所得税の納付を依頼されて金員を受領した旨の領収書の様式を統一し、その雛型を各農協組合長に配布したのである。

もとより納税促進のための行政指導の一方法として一括納付の方法を提唱しその一括納付の方法手続を具体的に説明して納税に対する協力支援を御願いしたにすぎないのであり、法令上納税事務を取り扱い得る場所は税務署及び郵便局並びに日本銀行代理店に限られており、町村農協が権限ある収納機関たり得ず、従つてまた収納機関のみが発行し得る納税領収証書を発行する何らの権限がないことはいうまでもないところであつて、いやしくも職務上このことを知悉している盛岡税務署長らが、農協に所得税を納付すれば収納機関に納付したと同一の効果を認めるとか或は農協の発行する領収書をもつて法令に定むる正規の納税領収証書に代わるものであるなどと法令の規定に照らしあり得べからざる違法の説明をするはずのものではない。原告らの主張する御堂農協の発行したいわゆる領収書なるものは、同農協が原告らから権限ある収納機関に納付してくれと頼まれて所得税を預り、又は預金から払い戻して所得税に振り替えたときに、右依頼の趣旨に従つて所得税として預り受領した旨の受領書にすぎないのであつて、もとより法令に定める効力を有する納税領収証書ではないのであるから、原告らがこのような領収書なるものを所持しているからといつて、徴税機関に対し納税の事実を対抗し得べき筋合のものではない。

しかも右に述べた農協を通ずる一括納付による納税方法に則るかどうかは納税者の自由であり、税務署長の強制し得べき性質のものではないから、前記説明において必ずこの方法によるべきであると強制した事実はなく、ただこの方法による納税は徴税手続上便宜であり、納税者個人にとつても便利である所以も説き、でき得れば可及的にこのような納税方法によつてもらいたい旨を御願いし勧めただけのことである。現に御堂農協の組合員中、同農協に一括納付の依頼をした者は約百名のみで、その余の七十九名の者はこの方法によらずに各自直接盛岡税務署又は郵便局若しくは日本銀行代理店に納付しているのである。また盛岡税務署管内の町村中農協による一括納付の取扱をしなかつたのは玉山、川口、巻堀、葛巻、江刈の各町村で、その余の三十二町村はこのような一括納付の取扱をしたけれども、農協所属の組合員全部がこの方法によつたのではなく、そのうち約半数がこの方法によつたにすぎないのである、してみれば盛岡税務署長らのなした前記説明ないし指導行為は納税督励上許容された範囲内の適法な行政指導行為であつて何ら原告ら主張のような違法はないものといわなければならない。

しかのみならず原告らが御堂農協に対しそれぞれその所得税として納付したと主張する金額のうち大部分は現金をもつてなしたものではなく、同農協に対する預金からの振替によつてなしたものであつて、同農協はこの分につき預金簿及び預金通帳面では払戻をしたかの如く記載し、且つ原告らから払戻を受けた旨の払戻受領書を徴してはいるけれども、当時御堂農協は事務所を新築して間もなく、その上甘藍買付の失敗等により数百万円の欠損を来し、従つて手持現金がないところから組合員に対する預金払戻は事実上停止の状態にあつた。さればこそ同農協は原告らから預金より所得税への振替納付方の申出を受け付けたにかかわらず払戻ができず、結局収納機関にこれを納付するに由なかつたわけである。このように現実に払戻がなされていない以上仮令帳簿上預金の払戻がなされたかの如く記載されているからといつて、原告らのこの分に関する預金請求権は消滅したことにはならない。同農協に対しこれが回復補償手続を求めれば足りる。そうだとすると原告ら主張の金額のうち預金から所得税に振替方申し出た分に関する限り何らの損害がなかつたものといわなければならない。

もつとも原告三浦円次郎及び同三浦申松主張の金額中現金をもつて同農協に納付を依頼した分に関する限り損害を被つたことになり得るとしても、それは同農協が同原告らからの依頼の約旨に反して権限ある収納機関に納付しなかつたために生じた損害であつて、盛岡税務署長らの説明ないし指導行為との間に相当因果関係があるものとはなし得ないから、右主張もまた失当である。

しからば盛岡税務署長らの不法行為を前提とする原告らの被告国に対する本訴請求はいずれも失当として棄却さるべきであると述べた。〈立証省略〉

理由

杜陵財務協議会は盛岡税務署とその管内の各町村をもつて組織する同税務署の外廓団体であり、管内各町村に対し納税事務の指導及び連絡を目的とすること、右財務協議会主催の下に昭和二十五年一月六、七の両日繋温泉御所閣において盛岡税務署長外関係職員及び管内各町村長並びに財務主任が出席して昭和二十四年度申告所得税及び納税者番号制度並びに滞納処分を議題として協議会を開き、次いで同月十八日同税務署長が盛岡市内丸消防会館に管内の各町村長及び農協組合長を集め、昭和二十四年度所得税の確定申告と納税の取りまとめについて及び各町村の納税協力態勢の確立についてと題して協議したこと、これよりさき同年一月十一日盛岡税務署佐藤事務官が当時の岩手郡御堂村村長内藤直造の招きにより同村五日市小学校において同村民に対し昭和二十四年度の確定申告所得税に関し説明をしたこと、原告らはいずれも納期限までに所得税を権限ある収納機関に納付しなかつたとの理由で盛岡税務署により差押を受けるに及び昭和二十六年一月末頃から同年二月初頃までの間にそれぞれ別表合計欄記載の税額に延滞金等を附加して同税務署にこれを納付したこと、原告らがいずれも御堂農協組合員であること、以上の事実は当事者間に争いがない。

原告らは、御堂農協に昭和二十四年度の所得税を納付せしめられたことにより、それぞれ別表合計欄記載の金額相当の損害を被つたのは、盛岡税務署長ら収税官吏がその職務の執行としての納税督励をなすにあたり、御堂村長及び同村農協組合長を通じて納税者たる原告らに対し、あたかも農協が納税取扱場所であり、これに所得税を納付すれば税務署その他の権限ある収納機関に納付したと同様の効力があり、且つ農協の発行する領収書は法令に定むる納税領収証書と同一の効力があるから農協組合員たる納税者はすべてこの方法によるべく、他に納税方法の選択の余地がない趣旨の違法な説明をなした外、文書等をもつてこのように指導したことに原因し、しかも右違法な行為と損害との間には相当因果関係がある旨主張するので、先ず同税務署長らが原告らに対し如何なる内容の説明ないし指導をしたかにつき検討することとする。

証人小笠原喜代志(第一回)、佐々木彌右衛門及び八角喜代治の各証言中原告らの右主張に副う部分は後記の各証拠に照らし当裁判所のにわかに措信し難いところであり、その他原告ら提出援用にかかる全立証をもつてするも、盛岡税務署長その他の収税官吏が原告ら主張のような説明ないし指導をした事実はとうていこれを認めることができない。

かえつて、昭和二十四年当時において、国税の納税成績の如何はシヤウプ勧告によるわが国の税制改正の方向を決定する重要な要素をなしている時機であり、政府としても同年度の納税成績を基礎にして昭和二十五年度の税制の改正を企図していたのでこれが早期納税促進を強力に実行する必要に迫られていた矢先、税務職員の手不足などにより納税事務が繁忙を極めていたため、納税事務の効率化を図るためには勢い可及的に公共団体等を利用せざるを得ない実情にあつたことは公知の事実である。また国税の納税取扱場所は法令上税務署及び郵便局並びに日本銀行代理店のみに限られ、その他のものはこれが取扱機関たり得ないのであつて町村農協の如きももとよりその例外をなすものではなく、しかも税務署長の一存をもつて前記の機関以外のものを納税取扱場所として指定する権限のないことは当裁判所に顕著な事実である。以上の事実に成立に争いのない乙第一、二、三号証、証人内沢栄一、熊谷宮次郎、後藤和夫、松本典三郎、工藤正雄、藤村金造の各証言を綜合すれば、各町村農協は政府から県信連を通じて払い渡される供米代金の受領及びこれを農協に設けた組合員の預金口座に振り込む事務を取扱つている関係上、納税者が農協組合員である場合は、これをしてその所属農協に所得税の納付を委託せしめ、かくして各組合員の委託を受けた農協がこれを一括して税務署その他の収納機関に納付せしむるならば徴税手続が省けるばかりでなく納税者個人にとつても便利であると考えた大蔵省は、全国の税務署長に対し、農協組合員たる納税者をして可及的にこのような一括納付による納税方法によらしむるよう指導すべき旨を指示したので、盛岡税務署長は、当時同税務署管内の納税成績は比較的良好であり、敢えてこの方法によらなければならないような状況にはなかつたが、全国的に行われていることでもあるので、昭和二十五年一月六、七日の両日前記杜陵財務協議会主催の下に繋温泉御所閣において管内各町村長及び財務主任の参集を得て開かれた協議会の席上及び同月十八日盛岡市内丸消防会館における同様の会合において管内各町村長及び農協組合長に対し、同税務署総務課徴収第一係長であつた松本典三郎をして、農協組合員たる納税者が昭和二十四年度の所得税を納付するには、その所属農協に対し現金をもつて納付方を委託するか、若し農協に対し供米代金等の預金を有する場合は、右預金から所得税相当額を払い戻してこれを所得税に振り替えて納付すべきことを委託するとともに預金払戻請求書を提出すること、農協は預金の払戻手続をするが現実には現金の授受をなさず払戻にかかる金員を所得税に振り替え預金者たる納税者からは預金払戻受領書を徴すること、しかして農協は右いずれの場合も所得税の納付として委託を受けた金員を受領した旨記載した領収書を発行し、納税者たる組合員にこれを交付すること、かくして農協は現金をもつて納付の委託を受けた分と預金から払い戻した分とを一括して農協組合長名義をもつて税務署その他の収納機関に納付すること、この際納税者の納税金額、住所、氏名を記載した納税者名簿を作成して納付書にこれを添付すること、所得税の納付を受けた収納機関は内訳明細の記載ある一括納税領収証書を農協組合長宛発行交付し、個々の納税者にはあらためて納税領収書を交付しないこと、若し納期限までに農協が収納機関に納付しない場合は、延滞金及び督促手数料等は納税者個人においてこれを支払うこと、但し以上の一括納付による納税方法に則ると否とは農協及び所属組合員たる納税者の自由であつてこれを強制する趣旨ではないこと、以上のとおり説明せしめたのであつて、昭和二十五年一月十一日御堂村五日市小学校において開かれた昭和二十四年度の所得税確定申告に関する説明会の席上、盛岡税務署直税課所得税係であつた佐藤事務官が説明した内容もまた前述の松本典三郎の説明内容と同一趣旨であつたこと、なお盛岡税務署長が管内の各町村長及び農協組合長に配布した文書は、前記の説明内容を前提とした所得税の一括納付に関する取扱要領及び書類作成の方式を指示したにすぎないものであること、以上の事実を認めることができる。

なお原告らは、盛岡税務署長らは一括納付による納税方法を強制した旨主張するけれども、少くとも同税務署長らの説明ではこれを強制した事実のないことは前示認定のとおりであり、その他の方法によつてこれを強制したことは、原告らの提出援用にかかる全立証によつてもこれを認めることができない。かえつて、成立に争いのない乙第五号証、前顕証人佐々木彌右衛門及び八角喜代治の各証言によれば、御堂農協の農業所得者中昭和二十四年度申告所得税の納税義務者は百九十八名のところ、そのうち同農協に一括納付を委託した者は百十九名でその余の七十九名はこれをなさず各自直接税務署等の収納機関に納付したこと、しかして盛岡税務署管内の一市四町三十三ケ村中農協による一括納付の方法を全然採用しなかつたのは川口、巻堀等六町村で、他は一括納付の取扱をしたが納税者の全部がこれによつたのではなく、全体として約四十二%にすぎなかつたこと、以上の事実を認めることができるのである。

以上認定した事実によれば、要するに、盛岡税務署長は一方ではその管内の各町村長を通じてその住民中農協所属の組合員である納税者に対しては、各自その所属農協に昭和二十四年度の申告所得税の納付方を委託することを勧奨し、他方管内の農協に対しては、その所属組合員から右のような所得税納付の委託を受けたらこれを取りまとめて税務署その他の収納機関に納付してもらいたい旨申し入れたにすぎず、しかもこれに応ずるか否かは納税者たる組合員及び農協の自由意思に任せたのであつてこの方法によるべきことを強制したものではないから、この程度のことは納税事務を取扱う収税官吏がその職務の執行としての納税督励をなすにあたり、許容された範囲内の適法な行政指導であつて何ら職権の濫用若しくは職権行為の範囲を逸脱する行為であるということはできない。

しかして証人村井小一郎の証言によれば、御堂農協は盛岡税務署長の右申入を容れ、その所属組合員に対し前示一括納付の方法による納税を勧めた結果、そのうち百十九名の者がこの方法を選んだことが認められるので、かくして同税務署長と同農協との間に、同農協がその所属組合員中一括納付を希望する者から所得税を取りまとめてこれを税務署その他の収納機関に納付する旨の委任契約が成立し、且つ一方では同農協と一括納付を希望する各組合員との間に、同農協が組合員のためにその所得税を収納機関に納付することを内容とする各別個の委任契約が成立したのであり、しかして原告らは右一括納付による納税方法を選択したのであるから後者の委任契約における委任者であり、同農協はその受任者であるといわなければならない。被告は盛岡税務署長は農協に対し行政指導として勧奨したにすぎないのであると主張するが前示認定のような当時の事情ことに具体的詳細な方法指示の状況に鑑みるときは単なる勧奨にとどまつたものと解することができない。

ところで成立に争いのない甲第三十五号証により真正に成立したものと認められる甲第九、十一、十三、十五、十七、十八、二十、二十二、二十三、二十五、二十六、二十八、二十九、三十一号証、証人村井小一郎及び田中四郎の各証言によれば、原告らが御堂農協に対しそれぞれ別表記載のとおり昭和二十四年度の確定申告所得税の納付方を委任したのであるが、そのうち現金をもつて納付を委任したのは原告三浦円次郎の金三百円及び同三浦申松の金三千七百二十五円のみで、同原告らのその余の分及びその余の原告らはそれぞれ原告らが同農協に対して有する預金から払い戻した上所得税に振り替えて納付すべきことを委任したものであること、しかるに当時御堂農協は甘藍の買付の失敗その他で莫大な欠損があり、経理状態が極めて不良であつて手持現金もなく組合員への預金の払戻を停止中であつたこと、従つて同農協としては原告らから前示のように預金から所得税への振替納付の申出を受付けたものの、これを払い戻して税務署その他の収納機関に納付する方策が立たなかつたので県信連に融資方を求めたところ、同農協に対しては既に数百万円の貸付があるのに未払であつたこと等により右申込を拒絶されたこと、しかるに同農協は払戻の見透しが全然つかないのに、預金簿及び預金通帳面では原告らの預金からその申出にかかる所得税相当額すなわち別表預金から所得税への振替分欄記載の金額をそれぞれ原告らに払い戻したかのように記載し、原告らからは預金払戻受領書を徴し、且つ原告らに対しては所得税として納付すべく受領した旨の領収書を交付したものの、手持現金のないため預金から右所得税相当額の金員を払い戻しこれを所得税に振り替えて盛岡税務署その他の収納機関に納付するに由なかつたこと、しかも前記のように原告三浦円次郎及び同三浦申松から現金で納付方を委託された分についても同原告らの所得税の一部としてこれを納付しなかつたこと、以上の事実を認めることができ、右認定を覆すに足りる証拠がない。

もつとも成立に争いのない甲第三十四及び第三十五号証によれば、御堂農協がその所属組合員から現金をもつて所得税納付方の委託を受けた総額は金二十五万六千五百円(原告三浦円次郎の金三百円及び同三浦申松の金三千七百二十五円を含む)であるところ、昭和二十五年九月十一日にいたり昭和二十四年度の申告所得税未納分としてそのうち金十万円を盛岡税務署に納付したことは認められるが、成立に争いのない甲第三十二及び第三十三号証によれば、右納付にかかる金十万円は訴外佐々木彌右衛門の所得税金五万六千二百八十三円及び同岩崎元次郎の同じく金四万三千七百十七円として納付したものであることが認められるので、原告三浦円次郎及び同三浦申松の現金をもつて納付方を委託した前示金員は同原告らの所得税の一部として収納機関に納付されなかつたものといわなければならない。

ところで御堂農協に対し現金で納付を委託した原告三浦円次郎及び同三浦申松の前示各金員については暫く措き、その余の別表所得税への振替分欄記載の分についてはたして原告ら主張のように損害があつたものとなし得るであろうか。

成程前示認定のとおり、御堂農協は原告らの申出に基き預金簿及び原告らの預金通帳には原告らの預金からそれぞれ別表所得税への振替欄記載の金額を払い戻した旨記載し、且つ原告らから預金払戻受領書を徴してはいるけれども、現実には払戻がなされていないし、また預金請求権そのものが所得税納付として処分されたものでもないから、実体上原告らの同農協に対する預金請求権には何等の消長を来していないものといわなければならない。

しからば原告らの預金から所得税に振替方を申し出た前示金額の分については損害があつたものとなし得ないから、原告らの本訴請求中この部分についてはその余の点につき判断するまでもなく失当として棄却を免れない。

そこで御堂農協に対し現金をもつて納付を委託した原告三浦円次郎の金三百円及び同三浦申松の金三千七百二十五円に関する限り、右原告らにおいて後日この分についても再び納付を余儀なくされたのであるから、これをもつて同原告らの被つた損害といわなければならないが、しからば右の損害と盛岡税務署長らの前示説明ないし指導行為との間に相当因果関係があるか否かにつき考察しなければならない。

右原告両名の被つた前示損害は、直接には御堂農協が収納機関に対する納付方委託を受けながらこれを納付しなかつたために生じたものであるけれども、同原告らにおいてこのような委託をなすにいたつたのは、これをなすと否とはその自由であつたにせよ、同税務署長らの前示のような説明ないし指導行為があつたからであり、若しこのような行為がなかつたとすれば、右原告らは昭和二十四年の所得税も従前どおり税務署その他の権限ある収納機関に納付したであろうし、従つてまた右のような損害を被る結果にならなかつたであろうから、少くともこの意味において盛岡税務署長らの前示行為が右原告両名の前示損害発生につき原因を与えたものといわなければならない。

ところで或る行為者甲の行為とこれに起因する違法な事実の発生との間に他人乙の行為が介在し、違法な事実が直接にに乙の行為によつて生じた場合、これをもつて甲の行為に基く加害行為があつたものとなし得るか否かについては場合を分けて考えなばなけれらない。行為者甲が違法な事実が発生することにつき故意過失があるときは、仮令この故意過失ある行為と違法な事実の発生との間に他人乙の行為が介在してもなお甲の行為による加害行為があるものといい得べきであつて、直接には乙の行為によつて生じた結果に対する責任は正に甲の行為に帰せしめて然るべきである。もつとも甲の行為と違法な事実の発生との間に介入する乙の行為が全く乙の独立の意思によつてなされたものであり、甲の意思により何ら影響を受け得べき関係にないときは、仮令甲がたまたまその違法の事実につき故意過失があつても、その違法な事実は甲の行為によつて生じたものとはいえないから甲にはこれによつて生じた結果につき自己の行為としての責任が生じない。しかしながら乙の行為が多少でも甲の意思によつて影響を受け得べき関係にある場合は、乙について不法行為の成立するのとともに甲もまた自己の行為としての責任を負うべきである。これに反し、甲が違法な事実の発生につき故意過失がないときは、直接には乙の行為によつて惹起せしめられた違法の事実につき自己の行為としての責任はあり得べきではない。但し民法は一定の場合につき、他人の行為によつて生じた結果に対し責任を認めている(民法第七百十五条、第七百十四条)が、それは他人と自己との間に特別な関係が存在するために特に損害賠償責任を認めたからに外ならない。

本件において原告三浦円次郎及び同三浦申松が被つた前示損害は直接には御堂農協の行為によるのであつて、盛岡税務署長らの行為によつたものでないことは前述したとおりである。そこで被告国が同税務署長らの行為に基き、右損害につき賠償責任ありとなし得るためには、同税務署長が御堂農協に対し前示のような所得税の一括納付の取りまとめ方を委任するに際し、同農協がその所属組合員との間の所得税の一括納付に関する委任契約から生ずる事務処理の義務を履行しないために、所得税の納付を委託した委任者たる納税者の何びとかに対し損害を生ぜしめるべきことを認識し、又は認識し得べかりしにかかわらず注意の欠缺によりこれを認識しなかつたという過失がなければならない。

およそ納税督励上許容された範囲内の適法な行政指導行為であるからといつて、いやしくも法令上納税取扱場所たり得ない農協をして所属組合員から相当多額にわたるべき所得税を取りまとめさせ、農協組合長名義でこれを一括納付せしめる等ということは全く異例の措置であるばかりでなく、前示認定のように税務署長とその農協との関係は、もはや単なる納税に関する行政指導をするものと、行政指導を受ける者との関係ではなく、農協が所属組合員から所得税を取りまとめて税務署その他の収納機関に納付することを事務処理の内容とする委任契約という一個の法律関係が設定されるのであつて、この法律関係から委任者及び受任者としての種々の権利義務が発生するのである。しかしてこのような委任契約における受任者たる農協が、場合によつては納税者たる組合員から取りまとめた税金を他の使途に流用するとか或は係職員が横領するとかその他の事由によつてこれを収納機関に納付しないために、所得税の納付を委託した納税者に迷惑をかける事態が起り得ないでもないのであり、ことに後記のような当時の御堂農協についてはその点の危惧がないでもなかつたのであるから、税務署長としては、単に農協が間違いなく納税者たる組合員から委託された所得税を収納機関に納付するであろうことを信じたのみでは足りないのであつて、予め農協の経理状態等を調査し、農協が一方では税務署長との間の、他方では納税者たる組合員との間の二個の委任契約に基く委任事務処理の義務を確実に履行し得る現実的な見透しを得た上でこれを委任すべきであり、しかも税務署長に農協の経理等を監督する権限がないとしても、このような経理の実態の概略は比較的容易に調査し得べきものであるから、この点の配慮を欠くときは税務署長に過失の責むべきものありといわなければならない。

本件において盛岡税務署長が御堂農協に対し前示のような所得税の一括納付の取りまとめ方を委任するにあたり、予めその経理状態その他かかる委任をしても間違いないかどうかについて何らの調査検討をしたわけではなく、同農協から一括納付者名簿の送付のみがあつて現金の納付が遅滞するに及んで初めて不審を抱き昭和二十五年四月十一日にいたり同税務署徴税第一係長松本典三郎を御堂農協に派遣して調査せしめた結果、同農協には甘藍買付の失敗等で多額の負債があり、従つて組合員に対する預金の払戻も停止中であつて、組合員から所得税の一括納付の申出があつた際も、県信連からの融資を当込んでこれを引き受けたものの、融資を受け得られなかつたので結局預金から払い戻して所得税に振り替えることが不可能であつた事実を知つた次第であることは成立に争いのない乙第四号証、前顕証人村井小一郎及び松本典三郎の各証言によりこれを認め得るところである。しかして盛岡税務署管内の各町村農協組合員中相当数の者が一括納付による納税方法を選ばなかつたことは前示認定のとおりであるが、その理由はこのような取扱をしても手数料収入が入るわけではないので農協自体これを欲しなかつたことにもよるが、一面では納税者たる組合員が、その所属農協の経理状態の不良その他の理由からこれに所得税納付の委託をしてもはたして確実に収納機関に納付してもらえるかどうかについて不安でもあつたからであることは、前顕証人佐々木彌右衛門及び八角喜代治の各証言によつても窺い得るところである。

はたしてそうだとすれば、盛岡税務署長が御堂農協に対し前示所得税の一括納付の取りまとめ方を委任するにあたり、右委任の内容が他人の税金を取り扱うという重大な事柄だけに、予め少くとも同農協の経理状態だけでも調査して間違いなくとりまとめた所得税を収納機関に納付するであろうとの見透しを得た上にこれをなすべき注意義務があつたにかかわらず、何らこの点について考慮を払うことなく、漫然前示のような委任契約を締結したのは、前段説明の趣旨において過失があつたものといわなければならない。しかして同税務署長のこの点の過失があつたがために、原告三浦円次郎及び同三浦申松は御堂農協に対し前示のように現金をもつて昭和二十四年度の所得税の納付を委託したのであるから、同農協が収納機関にこれを納付しないという事実によつて右原告らの被つた前示損害は同税務署長の右過失に起因し、且つ両者の間には相当因果関係があるものといわなければならない。従つて被告国は、その徴税権行使にあたる公務員である同税務署長がその職務の執行としての納税督励をなすについて、過失によつて違法に右原告両名に加えた前示損害につきこれを賠償する責任があるから、原告三浦円次郎に対し金三百円及び同三浦申松に対し金三千七百二十五円並びに右各金員に対する本件訴状送達の日の翌日であること本件記録に徴し明らかな昭和二十八年一月二十二日以降完済にいたるまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務のあること明らかである。

よつて原告三浦円次郎及び同三浦申松の本訴請求中、主文第一項掲記の部分に関する限り正当としてこれを認容すべきも、その余の部分及びその余の原告らの本訴各請求はいずれも失当として棄却すべきものとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条及び第九十二条本文を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 村上武 佐藤幸太郎 西沢八郎)

(表)

氏名

年月日

現金分

預金より所得税へ

の振替分

合計

三浦鉄太郎

三浦松太郎

三浦春松

三浦円次郎

久保三右衛門

久保酉松

田村喜七

留場甚太郎

留場七郎

三浦申松

昭和二五、一、三一

〃 二五、一、二六

〃 二五、一、二七

〃 二五、一、二七

〃 二五、一、二七

〃 二五、一、一九

〃 二五、三、 八

〃 二五、三、 八

〃 二五、一、二五

〃 二五、三、 八

〃 二五、一、三〇

〃 二五、三、 八

〃 二五、一、二七

〃 二五、三、一三

三〇〇円

三、七二五円

二四、三〇〇円

三七、四七五〃

五、一〇〇〃

五、四〇〇〃

八、三五〇〃

一三、七二五〃

三、一五〇〃

二二、四〇〇〃

七、〇六六〃

二〇、一七五〃

三、六五〇〃

一三、二五〇〃

二〇、七七五〃

一一、〇〇〇〃

二四、三〇〇円

三七、四七五〃

五、一〇〇〃

五、七〇〇〃

八、三五〇〃

一六、八七五〃

二二、四〇〇〃

二七、二四一〃

一六、九〇〇

三五、五〇〇

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